恩師、馬場良雄先生が10月27日に89才で永眠された。
私の空手道人生を導いてくれた偉大な先生。ありがとうございました。
よく聞かされた先生の愚痴を覚えている。
「空手家は勉強しないから駄目だ」
「空手家は本を読まないから駄目だ」
「強くても学ばない人は駄目だ」
先生は勉強熱心な人だった。
私が組手の稽古に熱心だったときには「形と組手、両方一生懸命にやりなさい」と注意された。
私が金髪坊主にして道場へ行ったときには「先生の方がまぶしいぞ」と言って、蛍光灯の光が反射する頭をペチペチと叩いていた。
馬場先生は、ニコニコしているときの表情と厳しい目をするときの表情がまるで違くて、それが怖かったし、好きだった。
馬場先生は、稽古の日には欠かさず道場の脇の方で二十四歩を一人で練習していた。
馬場先生は、私が自主練をしたいとき、いつでも道場を貸してくれた。
正月の鏡開きの日、遠志館の先輩たちと一緒に裸足で小平の町を走った。馬場先生とのりべんを一緒に食べた。馬場先生にお酒を頂いた。
東京武道館の帰り、道原先生と馬場先生に連れられて三人でラーメンを食べに行った。
馬場先生は、私が国際武道大学へ進学する時、当時、国際武道大学で教鞭をとっていた三村由紀先生に電話をしてくれた。
何年か前から私の課題形は、馬場先生と同じ二十四歩にした。
先生と同じように空手道を生業にした。
だけど先生のような人格者には、まだ成れていない。
どうか安らかに。