空手道とはまったく関係のない話しですが、10年くらい前のことだったか、地上波でニューヨークの朝の後継が放送されていました。画面に映る季節は冬。高層ビルに挟まれた路地は、都会特有の無機質な朝冷えを感じさせました。そこに一つのちいさなカートが。ホットドッグスタンドです。まだ人の流れが無い朝早い時間ですからお客さんはまばらですが、黒褐色の店員さんが少しテンション高く接客してくれます。
私にはそれがとても美味しそうに見えました。
大都会で、寒くて、まだ人が街に出てこない早い時間に、暖かいコーヒーとホットドッグを食べる。それがとてもキラキラした世界に感じられたのでした。以来、いつかあのコーヒーとホットドッグを食べたいと密かに願っています。
その後、海外生活の長い女性と結婚することにはなりましたが、私はいまだ英語圏と所縁の無い人生を歩んでいますし、とっくに期限の切れたであろうパスポートを探してもまったく見つかりません。そんな中、生徒の一人、トム君がニューヨークで私の夢を叶えてきてくれました。ありがとう。きっといつか僕もNYへ行って食べてきます。