10月24日(土)、東京武道館で第11回全日本障がい者空手道競技大会が開催され、当会の橋場孝之くんが形、組手の両部門でW優勝を成し遂げ、日本チャンピオンとなりました。この日の彼は違いました。
やっと橋場さんも報われたような気がしますし、私としても、ここではとても書ききれない想いがあります。橋場さんについては、いずれゆっくり時間を使ってお話しさせて頂こうと思っています。
さて、私は今日、橋場さんと同部門に出場していた選手が試合終了後にトイレの個室で呟くのを たまたま聞いてしまいました。
『ちくしょう…』
彼はそう言っていました。
あとから聞いたことなのですが、彼は今大会で10連覇がかかっていたそうです。
私は、彼の言葉が胸に突き刺さってしまいました。実に痛切で、素直で、想いの詰まった彼の言葉の意味が痛いほどわかります。正直に言うと、橋場さんの勝利よりも、あの、トイレでの出来事の方が印象的で思い出すと今でも涙がでてきます。これが勝負の厳しさであり、醍醐味であり、素晴らしさなのでしょう。
障がい者と言われようとなんだろうと、選手達は本気で戦っています。
障がい?そんなものしらない。俺はただ突いている。蹴っている。戦っているだけだ。
そんな、目には見えない想いが選手の背中からあふれ出しているようです。
『想い』 があるからこそ、勝って喜び負けて悔しがるわけです。
その経験を糧に再び稽古に励むことは、きっと選手達の日々を充実させることになるでしょう。
一年後、パワーアップして帰ってくるライバル達に再会したいと切に思うのでした。
『ちくしょう…』
『ちくしょう…』
まだコメントはありません。